食道
食道は約25cmの筒状の臓器です。
消化管としての食道の役割ですが、食道の入り口は本来閉じています。食べ物が喉に来ると刺激により開き食べ物が食道内へ入っていき、蠕動という食道の筋肉の動きで胃内へ食べ物を送っていきます。
主な病気
- 感染性食道炎
- 胃食道逆流症
- 好酸球性食道炎
- Mallory-Weiss症候群
- アカラシア
- Barrett食道
- 食道がん
- 食道粘膜下腫瘍
- 食道・胃静脈瘤
- 食道ヘルニア
- 食道憩室
消化器内科
食道・胃・小腸(十二指腸等)・大腸などいわゆる消化管と、肝臓・胆のう・膵臓といった分泌活動を行う副器官を合わせた消化器系で構成される臓器を取り扱う専門科です。
これら消化器系は、食べ物や水分などが摂取されると、分泌活動と運動により消化・吸収、代謝され、消化されなかったものが便となって排泄されます。
消化器系のトラブルは幅広く臓器があり症状も多彩であることが多いため、問診や診察を十分に行い診断します。また血液検査、レントゲン検査、腹部超音波検査、胃・大腸内視鏡検査も診断の補助や確定診断に用います。原因がはっきりしない場合や鑑別診断のため病診連携を用いてCT・MRI、超音波内視鏡検査などの各種画像検査を用いることもあります。
急性疾患から慢性疾患、がんなど重大な疾患もあり時間経過とともに症状が変化する場合もあり注意が必要です。
このような症状がある方はご相談ください。
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。お腹の不調や気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
食道は約25cmの筒状の臓器です。
消化管としての食道の役割ですが、食道の入り口は本来閉じています。食べ物が喉に来ると刺激により開き食べ物が食道内へ入っていき、蠕動という食道の筋肉の動きで胃内へ食べ物を送っていきます。
胃は風船のように膨らみやすく、膨らんでいない状態だと50ml前後の容量ですが最大に膨らむと2Lもの容量になります。十二指腸は小腸の一部ですが両手の指12本を並べたくらいの長さ25cm前後の長さになります。
消化管としての胃の役割ですが、食道から胃内へ入ってきた食べ物を貯めておくことと、胃液と混ぜ合わせて大きさを細かくしていきます。
また小腸で栄養やエネルギーの吸収バランスが崩れないようにゆるやかに胃や小腸の動きも調整されています。
小腸は十二指腸から続き空腸、回腸の3つに分けられます。小腸は非常に長く6mを超え、粘膜の表面はじゅうたんの様になっており面積はテニスコート1面分ほどと言われています。大腸は1.5mほどの長さで盲腸から始まり、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸と続きます。
消化管としての小腸の役割ですが、胃・十二指腸から送られてきた食べ物を小腸から分泌される消化液と混ぜ、小腸の運動に合わせて消化・吸収していきます。また小腸には免疫細胞が集中しており細菌やウイルスの侵入を防いでいます。大腸は小腸で吸収しきれなかった水分とミネラルを吸収し便を作り肛門へ運んで行きます。
便秘とは本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態をいいます。一般的には週2回以上の排便のない状態が1か月以上続くこととの定義もありますが、排便習慣は個人差が大きく、便秘は一概に排便回数のみで定義されるものではなく、排便回数が少なくとも身体的症状が伴わなければ必ずしも便秘症にはなりません。
便秘の原因には、腸管に何らかの狭窄がある器質性便秘と、それ以外の機能性便秘に分けられます。さらに他疾患による症候性便秘や薬剤による便秘もあります。
突然の排便障害とともに、腹部膨満感、腹痛、嘔気・嘔吐などが生じる場合に疑われます。腸管に基礎疾患が存在することで起こり、重篤かつ緊急を要することもあります。原因としては大腸癌などの腫瘍性病変、腸閉塞、クローン病に伴う狭窄、周辺臓器の癌などによる腸管の圧迫も原因となります。
原因となる基礎疾患に対する治療が優先されます。便秘を来すほどの大腸癌であれば、進行していることも多く、速やかに高度医療機関へ紹介させていただきます。
慢性の便秘で、消化管検査で器質的異常がないものを機能性便秘といいます。弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸性便秘に分けられます。
慢性便秘の多くは機能性便秘です。成因に生活習慣とのかかわりが強く推定され、食生活を含めた生活様式の改善がまず試されます。薬物療法は補助的治療としてなされます。
弛緩性便秘では、大腸筋層の機能低下が生じ、蠕動運動が障害され、大腸が弛緩し、糞便が大腸内に長時間とどまります。水分が過剰に吸収され、便が硬くなり、排便困難が生じます。食物繊維の摂取量の減少が関与していると考えられています。
成因の一つとして大腸内容物の容量減少に伴う大腸進展への長期にわたる刺激減弱が指摘されています。食物繊維は大腸内容物のボリュームを増加させるため、毎日20-30gの食物繊維を摂取することを指導します。また十分な水分の摂取、運動を指導します。生活指導でも十分な効果が得られない場合、薬物療法を開始します。当院での治療の第一選択は塩類下剤(酸化マグネシウム)ですが、不十分な場合はルビプロストン(商品名:アミティーザ)、エロビキシバット水和物(商品名:グーフィス)などの新薬、少量の刺激性下剤を使用します。
痙攣性便秘は自律神経を介した大腸の緊張亢進により腸管の痙攣性収縮が起こり、特にS状結腸で痙攣性収縮が持続すると直腸までの糞便の輸送が妨げられ便秘となります。この病態には過敏性腸症候群の便秘型が含まれると考えられます。
日常生活のストレスが原因とされており、日常生活の誘因からの離脱が基本となりますが、困難な場合は薬物療法が併用されます。抗コリン薬、向精神薬、塩類下剤、ルビプロストン(アミティーザ)、リナクロチド(リンゼス)などを使用します。刺激性下剤は腹痛などの症状を悪化させるため原則使用しません。
便が大腸を刺激して大蠕動が生じると、便は直腸に侵入し直腸壁を刺激し排便反射が誘発されます。しかし直腸内に便が到達しても排便反射が弱く、便意を伴わないことによる便秘が直腸性便秘です。主な成因は、日常生活の中で仕事などのために習慣的に便意を我慢、無視し続けることにあると考えられており、習慣性便秘とも呼ばれます。
直腸性便秘は排便に対する抑制・無視が病態の基盤にあることから、日常生活の見直しが必要です。規則正しい食生活、生活リズム、そのうえでの排便習慣の確立が治療の基本となります。一時的に排便反射を誘発する座薬、浣腸が用いられます。
症候性便秘は内分泌疾患、膠原病、神経疾患などの基礎疾患が存在し、それが原因で便秘が生じることを言います。代表疾患として糖尿病、強皮症、甲状腺機能低下症、パーキンソン病などがあります。
基礎疾患の治療が基本となりますが、病態に応じて機能性便秘に準じた薬物療法が併用されます。
向精神薬、抗うつ薬などの抗コリン作用を有する薬物や、下剤の乱用などが挙げられます。
基本的には弛緩性便秘に準じた治療が行われます。
肝臓はヒトの体で一番大きな臓器です。
肝臓の役割ですが、小腸における脂肪の乳化と吸収に必要な胆汁も作っています。
胆道は胆管や胆嚢の総称で、肝臓で作られた胆汁が十二指腸まで出ていく通り道を指します。
胆道の役割は、肝臓で作られた胆汁が胆嚢内で濃縮され胆管を通って十二指腸に運ぶことです。胆汁は主に脂肪の乳化と蛋白質を分解しやすくします。
膵臓は胃の後ろにあり約20cm前後の細長い臓器です。
膵臓の役割としては、消化酵素である膵液を十二指腸に排出し、また糖の代謝に必要なインスリンなどのホルモンを分泌します。